昭和30年代から40年代での少年時代の遠い記憶です。ばあちゃんの家へ遊びに行くと、ばあちゃんは座敷で白く細かい灰が敷き詰められた置き囲炉裏(火鉢)に座ってキセルで煙草を燻らせながら笑顔でいつも迎えてくれます。そして、火鉢の上では南部鉄器の鉄瓶から柔らかな湯気が漂っていました。いつも、ばあちゃんは、私を火鉢の横に座らせお茶を入れてくれます。常滑陶器の急須にお茶の葉を入れ、鉄瓶からお湯を注ぎます。ばあちゃんは、お茶の葉が開くまでしばらく待つ様に云います。それから、ゆっくりと急須を回して二つの湯呑茶碗へ少しずつ交互に注いでくれました。ばあちゃんと私は、何も言わずに二人でそのお茶をすすりました。遠い記憶ではありますが、必ずばあちゃんの家に行くと先ずお茶を二人で飲みました。そのお茶は、いつも優しくまろやかな味でした。側には、大好物の「わかさいも」と云うお菓子が有り、それを口に頬張ってからのそのお茶は数倍にも美味しく感じられました。50代後半になった現在、もう一度ばあちゃん家のお茶を再現して飲んでみたいと思う今日この頃です。スペシャルt ネスレ
Coupon, © 2025 インターセプトするカメラマンべたりと痛め付ける